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ひか
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2009年5月第一子出産。主婦のような感じで生活中。
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2009/05/19 (Tue)

「ぐるぐる猿と歌う鳥」加納朋子 講談社


「かつて子供だったあなたと少年少女のためのミステリーランド」 と銘打った書き下ろしシリーズの中で刊行されている物語。
図書館で、一般の書棚(児童書とはコーナーが別れてる)の所にあって借りて来たので、これまで読んだ他の加納朋子作品と同じような感覚で読み始めたんですが、「〜と少年少女のための〜」の名の通り、もっと若年層を意識した小説だった様子。
最初からそういう心構えが必要だったのか。
少し、肩すかしをくった感は否めないんですが・・・。


転校先の九州で、主人公の少年が出会う社宅の仲間と、不思議な少年パックの物語。

ずーっと昔、一緒に遊んだ「あや」の謎。
転校前の学校で、友達になろうとした「佐藤君」の一件。
社宅の屋根に描かれた、不思議な絵の事。
それから、何者だかわからない「パック」の事。

「ミステリーランド」の一冊として書かれたこの物語には、ちょこちょこと色んな謎が挟み込まれている。
そもそも、加納朋子さんの他の作品からして、いわゆる「ミステリー」とちょっと違う、日常の中の不思議を解き明かす事と並行して、登場人物の人間関係を描く・・・というカラーが強い。なので、今回のお話もやはり、大事件が起きたり、刑事さんがやってきたりしないし、もちろん人が死んだりもしないのです。
そういう意味で、これは確かにいつもの加納朋子カラーだ思うんですが。
ただ、物語の終盤になって謎が解けて「ああ、そうだったのか!」というスッキリ感を味わえるような、軸になる不思議が見当たらない。
そのため、後になってから、「ミステリーだったんだ・・・?」みたいな感想になってしまいます。


そんなミステリー感の薄いこのお話、メインになっているのは人間ドラマの方で。
子供達がメインの物語。
子供には子供なりの・・・でも大人から見て「子供らしい」とは思えないような、過去の失敗や、トラウマなんかを持っているもの。
それを、子供同士で気をつかい合い、助け合い、仲間としての時間を共有して行く訳です。

・・・・・っていう、コレがまた、読んでいて「自分は大人目線で読んでるよな?」ってつまづく所なんですけど。
けっこう、登場する子供達の中には、ちょっと重たい事情を持った子もいたりして。
子供向けに書いた物語だとすると、ちょっと現実が辛いな〜・・・と感じたりもしてしまう。
んー、でも辛い現実ってのは実際にある訳だからな。
子供向けの物語でそれを隠すべきかどうか、というのも、また難しい所か・・・。
(そして後書きを読むと、作者が子供時代に現実の辛さに気がついていたらしい事が書かれていて、何となく納得。物語の中にあるようなエピソードではないんだけど、「大人が正しいとは限らない」という言葉が総括しているような。もちろん、大人になった今であれば、そんな事わかっているわけだけど。)


・・・と、ココまで書いてみて、まるで要領を得ないんですが。実際、ちょっと分裂した感じの物語だなあ、という感想が否めないのです。
読み始めに、どこに注目して読み始めるかで、まるで印象が違って来そう。
とりあえず、「ミステリーを読むぞ」と思って読みはじめるべきではないんだろうな。
そして、途中で、「あ、子供向きの物語なんだ?」って思ってしまったんだけど、そういう先入観もこれまた、実は邪魔をしているんだ。
だけど、そこまで読む側で調整しなきゃいけないってのもどうよ・・・。
やっぱりこれまで読んだ他の加納朋子作品に比べると、どうかなー・・・って思わずにいられないかなあ。
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