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ひか
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2009年5月第一子出産。主婦のような感じで生活中。
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2008/05/24 (Sat)

「ICO 霧の城」宮部みゆき 講談社

同名のPS2ゲームの、宮部みゆきによるノベライズ。
「ゲームをやっていないとよくわからないですよ」という感じもする一方、「ゲームをやった人は逆にあんまり楽しめないのかも・・・」という感じもしてしまう、でもそこは宮部みゆきなので、面白いのかつまらないのかと問われれば、やっぱり面白いという、なんだかとっても置き所の難しい1冊。
「角の生えた子供は、13歳になったら生贄(ニエ)として霧の城へ送られる」という掟に従い、お城へと連れて来られたイコが、そこで出会った謎の少女、ヨルダの手をとり、霧の城からの脱出を試みる・・・という、大筋はゲーム版と同じ。
とは言え、そもそもがこのICOというゲームが多くを語らない為、バックグラウンドの部分は全て宮部みゆきオリジナルで紡がれています。

何故、霧の城が生贄を必要とするのか?
何故、それは角の生えた子供なのか?
少女は一体何者で、何故お城で捕えられていたのか?
やたらと襲いかかってくる影のような奴らは何なのか?

読み進んで行くと、あのゲームの謎めいた部分が、見事に辻褄の合うドラマとして仕上がっていて「なるほど!」と思う一方、やっぱりちょっと釈然としない部分もあるにはあって。
矢張りあの、多くを語らない部分こそがあのゲームの、やけに人を惹き付ける部分なのか。
自分などはエンディングまで見ても、結局何がどういう事だったのか、自分なりの答えなどはほぼないのだけど、それでいて漠然と、多分何かをイメージはしていたような。
その何かっていうのはさ〜、やっぱりICOとヨルダの間に、何かもっとほんわりとしたモノがあって欲しかったわけで、だからゲームで手をつないだ時にコントローラーが「ビヨビヨ!」ってなる訳でさ、ICOが「この手を離さない」と思ったのは、別に正義感とかそんなお堅いものであって欲しくはなかったんですよ。でも宮部版ではあんまりそいういう方面からは描かれなかった訳で。でも逆に言うと、そんな所をクローズアップするべきとは思っていない人だってきっといるんだろうなーっていうね。
だから状況としては、好きだった小説が映画化されて、自分はすごく重要だと思っていたエピソードがまるまる飛ばされてしまって、「何考えてるんだ、監督!!!」みたいな事に近いのかなあ。
「ゲームはゲーム、小説は小説」と切り離して考えるべきところなんでしょうか。
ならば、ゲームをやってない人の方が楽しめるのでは・・・となると、これがまた難しいところで。
ゲームICOのもう一つの魅力が、あの独特のグラフィックだったためなのか、小説でもこれでもかという程、細かく情景の描写がされている。
ところがそれが細かすぎて、実際にゲームをやった人ならば「あ、あの部屋の感じ」とイメージできるのだろうけど、やってない人には多分さっぱりわからないような。
そうなると、複雑なお城の構造の、細かい風景描写が続くところなどは、読んでいて決して面白くないんじゃないのかなあ。
そこまでやる必要はなかったんじゃないのかなあ。

でも、多分そこまでやってしまったのは、後書きを読んで感じ得るところとして、宮部みゆきさん自身がゲームICOが大好きで、書きたい!書きたい!書かせて下さい!書いちゃったぞ〜!!・・・みたいな流れがあるからなんだと思うのです。
だから、さっき「小説が映画化されて・・・」という例えを出したのだけど、もしかしたらそれは適当な例えではなく、ファンによる二次創作物であるという受け止め方が正しいのかも。

一通りプレイしたけど、ICOとヨルダの間に「ほんわり」としたものなど期待していない、或いは、そこまでは思い入れてない、もしくは、プレイしてないけど文章から情景をイメージするのはとても得意だ・・・・という人にはお薦めです。


ところで、ここまで延々書いて来て、まるで自分がプレイしてクリアしたかのような語り口ですが、実はプレイしてたのは旦那です。
何か私はね〜、やってると寂しくなっちゃってダメだったんだよね〜。ははは。
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